BAD PARTY「ワースト・ファースト・インプレッション」2


「ここだ、入れ」

 バタン、ガチャリ。男は部屋に入るとすぐに扉のカギを閉めた。

(用心深い人なのかな・・・あれ、ベッドが一つしかない。でも・・・大きい)

 男がひとつしかない椅子に座ってしまったので少年はそのままベッドに座った。

 男の眉間には、最悪の初対面の時と同様に不機嫌そうなしわがよっている。瞳は色みを持たないダークグレイで、バンダナでまとめられた髪も暗い色彩で前髪だけ色が違っている。

「お前、この町の生まれではないだろう。旅人か?なぜ着替えも持たずにうろついている」

 よく見ないとわからないが、少年の肌はこの街の他の人間とは色が少し違う。透きとおるように白い。個人差もあるだろうがこの大陸の人間の肌は根本的にこのような白にはならない。もっと色みを帯びているのだ。

「あ、はい。僕、シルクっていいます。ホワイトベリーっていう村で生まれました。今は旅の途中で・・・」

(ホワイトベリーだと?隣の大陸の少数民族じゃねえか。国境近くに村落があるために、勢力争いの影響で貧しい生活を強いられていると聞いたな・・・)

 そうして、少年――シルクは、この町には昨日着いた事、荷物を盗まれ金も服も失ってしまった事、古代遺跡の調査などで生計を立てている事を語った。

「予想通りの甘ちゃんだな・・・」

 シルクの話が終わる頃には、日は沈み空は急激に暗さを増していた。

「それでこれが、ある遺跡で見つけた物なんですけど・・・」

 そう言ってシルクは、自分の左腕を指した。手首から肘までを覆う、金属製と思わしき腕輪がはまっていた。それは、シルクが遺跡の最深部で見つけて試しにはめてみた途端、外れなくなってしまったという。呪いかもしれないのでシルクにはそら恐ろしく、今はその解除法を探して旅をしているのだ。

 男にはその見たことも無いような文様の細工が珍しく、シルクの腕ごと手にとって眺めていた。まるで初めからシルクの腕に合わせて打ち出したもののようにぴったりとはまっている。何をモチーフとして意匠したのかわからない独特の文様。その文様に紛れてどこに継ぎ目があったのかもはやわからない。本体の材質もさることながら、中央にはめられた宝玉もまた、かつて見たことの無い輝きを持っている。ルビーのようにただ赤く輝いているだけでもなく、深い湖の底のように鮮明には見えない奥の方が、ゆらゆらと水のようであり炎のようでもある。

「あの・・・良かったらお兄さんのお名前を教えてもらえませんか?」

 ずっと腕をとられたままで気恥ずかしくなったのか、シルクが話題を変える。

「ルゥザだ」

「ルーザーさん?」

「ルゥザだ」

「ルーザさん?」

「ルゥザだ」

「どこが違うんですか〜・・・」

「おい。あんま舐めた口きいてっと・・・犯すぞ」

「へ?」

 ドサリ。何を言われたのか理解できないままのシルクを、ルゥザはベッドに押し倒した。

「な、何・・・」

「俺がお前を犯すっつってんだよ」

 ルゥザはシルクの服の帯をほどくと、シルクが抵抗する間もなく後ろから服をめくり上げ、彼の肉の薄い尻を鷲掴みにした。

「いやああああっ!!」

 シルクは露わになってしまった下半身を隠そうとするが、ルゥザに上から押さえつけられてしまう。ルゥザは強引にシルクの顎を引き寄せ、唇を重ねた。シルクは離れようとするが、ルゥザのキスは長く濃密に続く。舌を入れ、乱暴にかき回される。「ん、んぅ・・・ふ・・・」シルクの抵抗もやがて弱まり、徐々にルゥザの愛撫に反応し体を震わせるようになる。

「な、なんで・・・んむっ――」

 ルゥザは開きかけたシルクの口を自分の指を差し込んで塞いだ。ルゥザの人差し指と中指とが、唾液にぬらぬらと輝きながら息も荒いシルクの口を強引に出入りする。

「なんの下心も無く部屋まで連れ込んだと思うか?男だから安全だと思ったか?残念ながら・・・今の世の中、そうでもないんだぜ」

 ルゥザの指が、今度は後ろの穴からシルクの中に進入していく。

「痛ぁっ!!」

「あっ、あっ、あっ、ああっ!」

 シルクの苦痛は、ルゥザが予期していたよりも早く別の刺激へと変わったようだった。ルゥザが突くたびに、体を弓なりにそらせてよがる。真っ白だった肌はほんのり桜色に上気していた。「・・・チッ」ルゥザは舌と歯で軽く噛み、もてあそんでいたシルクの胸から顔を上げた。

「なぜだ・・・」

「?・・・はあ〜・・・はあ〜・・・」

「あの荷物、重さからして剣だろ・・・なんであの時使わなかった・・・」

 ルゥザはシルクの中に自分を出入りさせる動きを止めずに問いかけた。シルクは、何とか呼吸を整えて答えようとする。

「僕・・・っ!・・・とに・・・、人に向けて、剣を使った、こと、ないかふぁああっ!」

「それで聖人君子のつもりか・・・その剣でもって獣は斬り殺すんだろうが!同じ血の流れる命を!」

 ルゥザは再びシルクをうつぶせに組み伏せ、両腕を掴んで、息も絶え絶えなシルクを後ろから攻めたてる。

「ごめんなさい・・・許し・・・」

「お前は何のために剣を持つ・・・今日の男たちが要求したものは金だったが、これがお前の命だった時にも、お前はその剣を使わずに黙って奪われるのか!」

 なにか、怒りをぶつけるかのように激しくシルクを責めるルゥザ。

「駄目ぇ!やめ、死んじゃいますぅっ!ああああっ!」

 ひときわ大きな叫びをあげてシルクは気を失い、糸の切れた人形のようにベッドに崩れ落ちた。

「はあっ、はあ・・・、お前みたいなの見てると、イラつくんだよ・・・」



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