18禁エドラー小説です。ご注意を。



 月明かりの差し込む部屋。時刻はちょうど真夜中と夜明けの間。月光を背に座り込んだ片腕片足が機械義肢の少年、エドワードエルリック。その眼光は鋭く、しかし、視線はそこにある何物をも追ってはいない。彼は、深い思考の渦の中にいた。

(アイツの肩の傷・・・間違いない)

 エドは、あの島に現れた謎の少年のことを考えていた。

 とってつけたように色も形も違う右腕と左足。それは、かつて錬金術のリバウンドで自分が失った部位と符合する。かつて犯した過ちの代償として失った、右腕と左足。

 その右腕――肩の、狐に噛まれた傷、それが決め手だった。

「あの腕と足は俺の物だ・・・でも、それがわかったところでどうしろっていうんだ・・・っ!」

 強く握った鋼の右手がギリギリと音を立てる。しかし皮膚とは違いその硬質の腕は痛みを伝えては来ない。

「畜生・・・ッ!」

 今はそんなことにすら苛立ちを感じる。イズミの店はすっかり寝静まっていたが、頭に血が上ったエドは眠りにつけそうに無かった。

 いてもたってもいられなくなったエドは、部屋を抜け出した。店の外に出て、前回と同じように錬金術を使って壁に穴を開け、「アイツ」のいる部屋へ向かう。

「ヒッ・・・!?」

 少年はまたも眠らず起きていた。怯えた瞳で突如現れたエドを見つめている。

(コイツ、眠らないのか!?)

 エドは一瞬驚いたが少年が怯んでいる隙にベッドの上に押さえ込んだ。シーツで縄を練成し、またデタラメな錬金術を使われては面倒なので両手両足をそれぞれ拘束する。

「ムグッ」

「今度は暴れたって逃れられないからな」

 口に手を押し付けて塞いだが、少年はなおも抵抗しようと、もがき続けた。

「無駄だって言ってるだろ!」

 押し殺した声で言われ、少年の目から涙がぽろぽろとこぼれる。

 さすがに罪悪感を感じたエドは、ほんの少し優しい声でささやいた。

「手、はなすから騒ぐなよな。言っただろ、確かめたいことがあるだけだって。いいな?」

 こくこくと頷く少年の口から、エドはそっと手をはなした。

「スウーーーッ」

「!!」

 叫び声を上げようと息を大きく吸い込んだ少年の口が、間一髪、声を発する瞬間に再びふさがれた。

「騒ぐなって言っただろう!」

「ングーッ、ンーッ!」

 少年は必死の抵抗を続け、エドは全身で押さえ込みにかかる。無言の格闘が続いた。

「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・」

 数分後、二人は疲れ果てていた。エドの手は少年の口からはなれていたが少年は息を切らし喘いでいて、声をあげるどころではなかった。。

 エドは突っ伏したまま少年の右腕をよく眺めた。

 肌の色、感触・・・長い間慣れ親しんだ記憶の中の自分の右手と、よく重なった。ただ、過酷な修行や長い旅路を経験した左手とは全く同じとは言えなかったが。

「おも・・・い、よ・・・」

 少年が、自分の身体の上で突っ伏したままのエドに、息も切れ切れに抗議の声を上げた。

「あ、すまん・・・」

 その時、身体を起こしかけたエドの鼻腔を、ある香りが通り抜け、エドの動きを止めた。

「ウイン・・・リィ?」

 それは、柑橘系の香りだった。

 少年の髪を洗う時に、ウインリィが、自分と同じシャンプーを使ったのだった。

 エドはすぐさま、二人がもみ合ううちに少年の長い黒髪からその香りがたちのぼっていたのだということを理解した。

 しかし、奇妙な錯覚が、少年の身体を組み敷いたエドを襲った。衝動的な錯覚だった。エドはそれを一瞬で頭から消し去った。

 だが、エドはそのまま身体を起こすことができなかった。

 エドは、とり憑かれたようにふらふらと、少年の首筋に顔を寄せていった。

「はぁ・・・んっ!」

 エドは少年の髪に鼻先を埋め、胸いっぱいに息を吸った。少年はくすぐったさに身を震わせ、声を漏らした。

 眩暈のような感覚に陥っていたエドだったが、その声を聞いた瞬間、頭の中で何かがはじけたような気がした。意識は過度に覚醒し、全身を熱い血が巡る。

「このお前の、右腕と左足は間違いなく、俺の物だ・・・」

「えっ、なに・・・?」

 エドの冷静な、それでいて今までとは雰囲気の違う声に怯えを滲ませる少年。

「等価交換。って知ってるか・・・何かを得るためには、同等の代価が必要になる・・・」

「わかんない、しらない・・・」

「お前は俺の腕と足を得るためにどんな代価を支払った?俺は、まだおまえからなんの代価も受け取っちゃいない・・・」 

「なに?こわい・・・わかんないよ・・・」

「おまえにどんな代価が支払える?文字通りこの身体ひとつで、裸で現れたお前に、何が差し出せる?」

「わかんない・・・わかんない・・・」

「お前の身体で払ってくれよ、今、俺に、俺の腕と足の代価を!」

「わかんないわかんないわかんないわかんない!」

 すべて詭弁だった。少年は直接エドと取り引きしたわけではないし本当は代価は支払われたのかもしれない。エドにしても左足は真理へ近づいた「通行料」として、右腕は弟アルフォンスの魂とそれぞれ交換だったのだ。しかしそれでも構わなかったのだ。少年には記憶が無いしエドのいうことも理解はできないだろう。

 ただ、今だけでも騙せればいいのだ。少年のことを。エド自身のことを。

 練成反応の光とともに、少年の服はバラバラになって剥がれ落ち、足を縛る縄が頭のほうに移動して尻を突き上げた格好にされてしまう。

「やぁぁっ、なにするの!?」

「遊びたかったんだろ?遊んでやるよ、好きなだけ」

「あそぶの?・・・んっ!」

 エドの舌が遠慮なく少年の肌の上を這い回る。睾丸の裏から肛門へと舐められ、感じたことの無い刺激に少年は驚き戸惑う。

「こんなあそび、へんだよぅ・・・」

「じきに楽しくなるさ」

 そう言って少年の肛門を舐め続けながらエドはズボンのファスナーを下ろした。

 そして、すでに固くなっていたモノを少年の尻へと押し当てる。

「な・・・なに?それ?」

 その攻撃的なフォルムに少年が怯えの色を見せる。エドは構わずに少年の秘部に体重をかけ、侵入を試みる。

「ふああぁあ・・・っ!?」

 少年の見開かれた目の前で、エドの陰茎は強引な進入を果たしていく。

 そして、すべてが少年の体内に収まった時。

「い・・・いたいーーっ!いたいいたいいたい!」

「ち・・・早すぎたか」

 何しろ初めての経験だ。はやる気持ちと抑えきれない衝動から強引に挿入してしまったが、エドにだってどうやってやったらいいかなんてわからないのだ。

(それにしても・・・きつい・・・)

 小柄なエドの性器だけに大きさはたいしたことないはずだった。しかし、それ以上に少年の身体は小さく、エド自身をきつく締め上げる。自身が感じるきつさと熱さで興奮は高まっていたが、これではそれどころではない。加えて少年はまだ痛い痛いと騒いでいる。

(しょうがねえ!)

 エドはみたび少年の口を塞いだ。ただし今度は自分の口を使って。

 驚いた少年の緊張が解け、締め付けが少し和らぎ、エドは更に腰を密着させる。噛みつかれやしないかと警戒しながらも舌を挿し込み、絡ませるうちに少年の息が荒くなってきた。まだ感じているわけは無いのだろうが、その反応や深く挿入された自身の感覚に、エドは興奮が高まるのを感じた。そして自然に、少年の背へと腕が伸び、抱きしめる。

「んむ・・・ぷはっ、うで、ほどいてぇ・・・」

 言われたとおりにしてやると、少年はエドに抱きつき返してきた。ついでに足も解いてやると、エドの腰にまわしてしがみついてきた。

「気持ちいいのか?」

「わかんない・・・まだくるしくてへんなかんじだけど、あったかいから・・・」

(俺の方はすっげー気持ちいい・・・もう、我慢できない)

「動かすからな」

「へ・・・あっ?あぁあっ!?あはぁっ!?」

 少年の声は苦しげだったがそれがまたエドの興奮を高めた。エドは快楽に没頭し夢中になった。一粒だけ、涙がこぼれた。少年の方はずっと泣きっぱなしですでに顔もぐしょぐしょだった。エドがこぼした涙が、少年の濡れた顔に落ちて二人の涙が交じり合った。

「で・・・出る!」

 程なくしてエドは射精した。少年の中で。

「あ・・・あつい!おなかあつい!おなかおなかぁーー!!」

  ・
  ・
  ・

「はぁん、はあぁっん!えど、もっとしてぇ、もっともっとぉ」

(初めて・・・だったと思うんだが、ちょっと無茶しすぎたかな・・・)

 少年はよだれをたらして狂いよがっていた。身体はエドの放った精にまみれ、目の焦点が合っていない。

 エドはそれでも一度火の点いた欲望を止めることができず、腰を動かし続けた。

「ああああんっ、きてる!きてる〜〜っ!」

 少年のエドに絡みつかせた腕と足に力がこもる。エドは4回目の射精を迎えて、少年の身体から自身を引き抜き、そのまま力尽きた。

「はぁっ、はぁっ・・・もう、出ねえ・・・」

「どうしたの?もう遊ばないの?死んでるの?」

「馬鹿言え・・・っ、お前、底無しかよ・・・」

 少年がエドの顔を覗き込んでくる。その目つきはとろんとして、顔にも玉の汗が浮かんでいてなまめかしいことこの上ない。

 しかしエドはもう動けそうになかった。それにこれだけ騒いでしまったのだから、後が恐ろしい・・・

「遊ぼ、遊ぼうよ。ねえ〜え、つまんない〜」

 理性と本能、プライドと体力の狭間でしばらく葛藤していたエドだったが、少年にゆさゆさと揺り動かされるうちにカッと目を開いた。

「そんなに言うならヤってやるよ!どうなっても知らないからな!!」

「わーい遊ぶ遊ぶぅ〜♪」

 エドが少年の裸体に覆いかぶさったその時――

 バターーン!!

 大地を揺り動かすような音とともに(大げさではなく実際エドにはそのように聞こえたのである)部屋の本来の入り口である扉が開き、天地を震わせるような殺気の塊が部屋に入ってきたのである。

「せ、先生・・・(泣)」

 哀れエドの声は恐怖に裏返っていた。

「こンっっっっっのエロワード・エロリックがああっ!!(怒)」

 その夜、一軒の肉屋が建物ごと崩壊したという・・・

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