「B Meets・・・」1
「うっく・・・、ひっ、ひっく、えぐっ、えっ、えっ・・・」
人気の無い墓地。立ち尽くす青年。泣き伏す子供。ただ泣き声だけが虚ろに響く。
時は少し遡る。
「間違いない、奴はこの先に・・・」
血痕、破壊された墓石、金属の破片、爪痕のような抉られた地面、そしてなにより――
辺りじゅうに見える、焼け焦げた痕。
間違いない。彼は一人ごちた。戦いの痕である。奴がここで何者かと・・・。
剣を握る手に力がこもる。自分は、奴に再び会わなくてはならない・・・。そうしなければ、自分の正義と秩序を今一度見極めなくてはならない・・・奴が偽善と嘲笑った正義、押し付けだと吐き捨てた秩序。他の者には他の者の正義があると言う事を、今の彼は知っている。しかし、それでも、譲れない信念が自分にはある。それをもう一度奴に会って、確かめなくてはならない。
その時、こちらに向かって走ってくる人影が見えた。こんな薄気味の悪いところを。それ以前にこのエリアは既に危険区域として閉鎖されているはずである。
「妙だな・・・!?」